間質性膀胱炎とは
間質性膀胱炎とは「間質」と呼ばれる膀胱の粘膜下層に炎症がおこる病気です。この炎症は細菌感染によるものではなく原因がわかっていません。
人によって症状が大きく異なるのもこの病気の特徴です。10年・20年と長期にわたり患っている方も多く非常に頑固な炎症です。
診断・分類
膀胱に水を入れて膀胱粘膜をピンと張らせた時の粘膜状態で、次のように確定診断されます。この検査を「水圧拡張下膀胱鏡検査」と呼びます。
①ハンナ型間質性膀胱炎
粘膜にぐちゅぐちゅと潰瘍が形成されている場合です。猛烈な畜尿痛や排尿痛、過度な頻尿など症状が強いケースが多く難病に指定されています。
②非ハンナ型間質性膀胱炎
粘膜に潰瘍はないが、点状出血や五月雨出血など出血が確認できる場合です。
③過知覚膀胱
粘膜に異常はないが間質性膀胱炎のような症状がある時の病名です。この病名はまだ恐ろしく知名度が低いです。多くは粘膜に異常がないと「間質性膀胱炎ではありません」「原因不明」や、症状に合わせて「過活動膀胱」「慢性骨盤痛症候群」などと診断されたりします。
*②非ハンナ型間質性膀胱炎と③過知覚膀胱を合わせて「膀胱痛症候群」と定義されています
症状
症状・度合い・感じ方など個人差が大きいので参考程度になりますが、下記は代表的な症状です。
- 頻尿
行きたくて行っても50mlも出ない。夜1時間毎に起こされるので寝不足だ。 - 排尿困難
なかなか尿が出てこない。勢いがない。何回にもわかれて出る。切れが悪い。 - 残尿感
行ってもスッキリしない。常に尿がある感じがある。 - 畜尿痛
膀胱に尿が溜まってくると尿意ではなく、ヒリヒリ痛かったり、下腹が気持ち悪くなってきてトイレに行く。 - 排尿痛
尿の出初めからまたは排尿最後に、ピリピリしたりツーンと突き上げてくる痛みがある。痛みが強いと排尿後もしばらく痛みが持続する。 - 排尿に関わらない痛みや違和感
常に下腹が張っている。朝方だけ陰部がムズムズしている。冷えると急に差し込む痛みがくる。
お薬
- 各種痛み止め
カロナール・ロキソニン・ボルタレン座薬などの消炎鎮痛剤、リリカカプセル・タリージェなど神経疼痛用の薬、ワントラム・トラムセットなどのより強力な痛み止め - トリプタノール・トフラニール
夜尿症などに使われる三環系抗うつ薬。膀胱の緊張を和らげるために使われる。 - 抗不安薬
セルシンやレキソタン。トリプタノールと併用して使う病院がある。 - IPDカプセル
抗アレルギー薬。間質性膀胱炎が膀胱粘膜のアレルギー説があるため。治験は通らなかったが、効く人もいるため使用されている。 - ウラリット
尿をアルカリ性にする。酸性尿は膀胱に刺激になる可能性があるため。 - 過活動膀胱の薬
トビエース・ベシケアなどの抗コリン薬とβ3刺激薬(ベタニス・ベオーバ)。主に頻尿改善を目指して使われる。 - エブランチル
排尿障害用のお薬。尿が出にくい・切れが悪いなどの症状に使われます。女性で認められているのはこのお薬のみになります。男性は前立腺肥大用のαブロッカーがあるため、選択肢が他にもあります。 - 各種漢方
猪苓湯・猪苓湯合四物湯・五淋散(ボーコレン)・竜胆瀉肝湯・清心蓮子飲(ユリナール)・牛車腎気丸など。色々合うものがないか試していく感じになります。
水圧拡張術
分かりやすいように簡単に書いていますので、詳しくは病院などのホームページを参考にして下さい。
非ハンナ型間質性膀胱炎では粘膜表面にツタのように新しい血管が張っています。これを新生血管と呼びます。新生血管はもろく破れやすいです。検査の水圧拡張で出血が確認できるのはこの血管が破れるためです。この新生血管がツタのように粘膜表面にできると膀胱の伸縮が阻害され、畜尿痛や頻尿の原因となることがあります。この血管を全部破いてしまおうというのが水圧拡張術です。そのため入院して麻酔を使い検査の時より膀胱を大きく膨らませます。ハンナ型間質性膀胱炎の場合は、上記の水圧拡張術を行った後に潰瘍を直接レーザーで焼いていきます。
効果があるかはやってみないとわからないのが現状ですが、改善率はハンナ型の方が高いです。これは悪さを確実にしている潰瘍を焼灼できるためです。効果は半年から1年程で、手術を繰り返していくことになると言われています。これは拡張や焼灼で粘膜表面を改善できても、根本の下層の炎症が治っていないためです。そのため破壊した新生血管や焼灼した潰瘍が時間が経つとまた形成されてくるのです。
膀胱内注入療法
ハンナ型間質性膀胱炎では、ジムソというお薬を膀胱に直接入れる膀胱内注入療法が保険適用になっています。隔週外来で6回注入していきます。間質性膀胱炎では炎症細胞が不安定なことが原因であるという説があります。それを安定させてくれる可能性があるお薬がジムソです。
痛みが出て中断する場合や、効果がない場合などはやはりあるので、やってみないとわからいというのが現状です。
鍼灸治療
間質性膀胱炎の場合は色々な症状がからみあっているケースが多くあります。先ずは治りやすい部分から治していき、シンプルな症状に持ち込んでいくことが治していく定石になります。
よくあるパターンは、畜尿痛がある場合はそれが病気の中心で非常に頑固です。なので排尿痛や排尿に関わらない痛みが先に改善します。そうすることで、たまると痛いが出してしまえば次たまるまでは大丈夫という畜尿痛+頻尿というシンプルな形になります。この形に持ち込めると、畜尿痛→畜尿時不快感→畜尿時尿意と変化し始め、その分ためられる尿が増えていくので頻尿が改善していきます。
当院は間質性膀胱炎の症状改善に特化した専門の鍼灸院です。間質性膀胱炎の辛い症状にお悩みの方に、専門院での鍼灸治療を試して頂けたらと思います。
