慢性膀胱炎とは
細菌感染によって膀胱粘膜が炎症する病気を急性膀胱炎といいます。これが一般的に言われている「膀胱炎」です。抗生物質を飲むと数日であんな辛かった症状があれよあれよと魔法のように治るので、簡単な病気だと思われています。
しかしこれが一旦こじれ始めると、以下のような症状が単体もしくは複合的に出現し非常に治りずらくなる場合があります。それが、「慢性膀胱炎」です。
症状
年に何度も細菌感染をおこす
通常は年に0~1回。悪化すると年に3~4回。さらにひどくなると菌が消えてから1週間経たずに再感染を繰り返すというケースもあります。
抗生物質を長期間服用しないと菌が消えない
通常は3日程で菌が消失し、安全のために5日~7日間飲み切ります。こじれると、1週間飲んでも菌が消えず、追加で違う種類の抗生物質1週間で消える。抗体検査をしながら1カ月飲まないと消えない、と抗生物質を飲む期間がどんどん伸びていくことがあります。
微感染を起こす
微感染は通常の急性膀胱炎に比べると尿検査の結果はそこまで悪くなく、症状もそこまで激しくない代わりに、抗生物質が効きにくくなります。
菌は消えたのに症状が消えない
もう尿はきれいなので治ってます、と言われました。確かに感染していた時よりは症状は楽になったが、全然スッキリはしていない。どうすれば?という状態です。
原因
①膀胱粘膜の抵抗力の低下
これによって何度も感染したり、殺菌に時間がかったり、微感染になったりします。膀胱粘膜が何度も炎症したり、炎症が長引いたりするとより粘膜の抵抗力が落ちるという負のループにはまります。
抵抗力低下による微感染は風邪で考えるとわかりやすいかもしれません。子供の時の風邪は高熱が出て辛いですが、数日で噓のように元気になります。それに比べて免疫力が落ちてからかかる風邪は微熱でそれ程苦しまない代わりに、スッキリするまで1カ月以上かかったりします。
②神経過敏
感染時は畜尿痛・排尿痛・膀胱痛など下腹部・膀胱・尿道など様々な部位に刺激が入ります。その刺激が菌がいなくなった後も残ってしまうのが神経過敏です。尿検査で異常がなく症状が続いてくると、この状態を「慢性膀胱炎」と呼ぶのか、菌はいなくなっているので症状に合わせて過活動膀胱・心因性頻尿・神経因性膀胱・慢性骨盤痛症候群などなど他の診断名をつけるのかは医師によって異なります。さすがに減りましたが、昔はこの状態を「気にしすぎ」と片付けてしまう先生が結構いました。
病院での治療
感染したら基本は抗生物質です。ただし、微感染の状態では抗生物質を使い続けるか他の薬を使うか医師によって判断がわかれるところです。
微感染や非感染時には症状に合わせた、対症療法のお薬が使われます。ただ、対症療法の薬になってくると根本解決に至らず、うまく改善しないケースが多くあります。
感染予防に猪苓湯、頻尿や尿意にはベオーバなどの過活動膀胱の薬、尿の出ずらさにはエブランチル、違和感・痛みには消炎鎮痛剤など。
漢方では他に、猪苓湯合四物湯・五淋散(=ボーコレン)・竜胆瀉肝湯・清心蓮子飲(=ユリナール)・牛車腎気丸などの処方をよくみます。
鍼灸治療
慢性膀胱炎の原因を軸に、膀胱粘膜の強化と神経過敏を抑えることを目的に鍼灸治療を行っています。
これによって、年に0~1回感染・抗生物質を飲むとさっと治る・後を引きずらない、そんな通常の急性膀胱炎に戻していきます。
私が泌尿器専門の鍼灸院を作ったのは、30年間2カ月に1回膀胱炎になってしまう方を治したのがきっかけでした。その当時に行った鍼灸治療を今もベースにしています。当院は慢性膀胱炎の症状改善に特化した専門の鍼灸院です。慢性膀胱炎の辛い症状にお悩みの方に、専門院での鍼灸治療を試して頂けたらと思います。
